ファシリテーションで整理する話について書いた。さて、その上で。私が良くホワイトボード上に書くパターンを書いておこう。これがつまり、私が普段会議内で考えている整理方法、と言えなくもない。一応、想定としては、ホワイトボードをまるまる一枚使えるケースと考えて欲しい。あまりこじんまりとしたところではなかなか書ききれないからだ。ただ、最近では、A4の紙の上にこんなのを書いたりするので、書く気になればどこでも書けるかもしれない。
・メリットデメリット
メリット/デメリット、あるいはPros.Cons.と言うケースも多いが、これを考えるのは非常に整理がしやすい。特に、複数の意見を比較する場合には圧倒的にこれが良い。使い方は至極簡単で、ホワイトボード全体を横に三つに分け、最初に、「メリット」「デメリット」と書いてしまおう。あとは、表形式でダラダラと書いていけばよい。
通常、二つの案を比較する場合、一方のメリットはもう一方のデメリットになりやすい。例えば、どこかに行くのに、特急で行くか普通列車で行くか、という比較の場合、普通列車のメリットである「安い」は、裏返せば、特急で行く「金がかかる」というデメリットでもある。が、別にこの段階では気にする必要はない。もちろん、整理できるとより良いが、スペースに余裕がある限りは悩むより書いてしまった方がよい。メリットデメリットは、だぶりより、抜けもれに注意した方が役に立つ。
・田の字
コンサルタントが大好きな図である。例にもれず、私も大好きである。もう何回もホワイトボードに殴り書いてきたものだ。
田の字とは、事象を四象限に分けて整理するものである。基本の使い方は、縦と横に何らかの軸を取り、それぞれHighとLowに分ける。派生として真ん中にMiddleを入れて、3×3マトリクスもあるが、経験上2×2の方が使いやすい。田の字は基本的に物事の優先順位を決めたり、意思決定をする際に使う。田の字の効用は大きく二つあり、①軸をわずか二つに絞り込むこと、と②優先順位を明確にすること、である。あっちがいい、こっちがいい、と言う話になった場合にはすかさず主要論点を書きだして田の字を書いてしまうと良い。
・マトリクス
田の字と見た目の構造は近しいが、もう少し定性的で、おもに整理に使う。世の中の多くの事象は様々なファクターが複雑に絡み合っているが、分類する際には比較的に二軸ぐらいできっておくと整理がつくものだ。
有名なところでは、Pain-Preasureマトリクスや、ジョハリの窓、アンゾフの成長マトリクス等がある。マトリクスを使う場合は大抵二つ。一つは、議論がかみ合っていないとき。つまり、二軸で評価しないと分からない、と会議中に気付いた時。もう一つは、事前にフレームワークを思いついている時だ。
なお、三軸使いたいケースも良く出るだろう。一般に人間が可視化してみるときには三軸は分かりにくいのであきらめた方がよい。諦めて複数枚書く方が健全だ。しかしながら、どうしてもその場で、と言う場合には、マーカーの色を変えると、比較的わかりやすい。ただし、アンゾフの成長マトリクスの三軸目(垂直統合)みたいな話では色を変える、という手段は使えないので注意が必要だ。
・ピラミッド
ホワイトボードに大きく三角形を書き、その三角形が高さ三等分になるように水平に線を二本引く。これがピラミッドの基本形だ。私が最もよく使うシーンは、「組織のトップ層、ミドルマネージャ、現場」を分ける場合である。次に使うのが、「ロイヤル顧客、通常リピート顧客、一般顧客」と顧客層を三つに分ける時だ。他にも、「上位20%の優秀な人」とか、「イノベーター、アーリーアダプター、マジョリティ」等でも使う。
「数は少ないが上位が重要」と言う事を表現する場合に良く使う。多くの場合は、ピラミッド単体で済むことではなく、このピラミッドの上位層なら***、ミドルは***、下位は***と、ホワイトボード上の別の図に紐付けるか、注釈を書くか、そう言った組み合わせの活用となる。
・時系列
意外に便利な時系列。意外に忘れがちな時系列。「自分は整理能力がない」と思っている人は、概念をいろいろ考えた後に、時系列観点から考えてみると、一段階ステップアップできる。そんな図である。
私はSE出身なので、線表ライク(ガントチャートライク)に左から右に書くのが好きだ。時系列の話をしようと思ったら、まずホワイトボードの下1/4くらいに水平に矢印を書く。下は少し開けておいてコメントを書く欄を残しておいた方がよいだろう。(時系列上に各内容が少ないとわかっているならもっとたくさんあけるべきだ。)
そして次に、「時の始まり」と「時の終わり」を書こう。今から将来のActionPlanを描くなら、始まりは今、終わりは、すべて完了する時だ。過去現在未来の分析なら、過去から未来だろう。
あとは、目分量でそれっぽいところにいろいろと書きこむと「いつ、何をやるのか」「いつ、何が起こったのか」が整理される。
・箱と矢印
今まではいろいろなパターンを描いてきたが、これは基本系である箱と矢印である。箱は、長方形、角丸長方形、丸、と言うところが基本だろう。私は大抵長方形である。矢印は→と⇒を使い分けるとカッコいいが、私はこれを使い分けるほどセンスはない。
恐らく、「関係」と「遷移」で使い分けるのだろうが、他にも意味合いは考えられるので、ここは各人で挑戦して頂きたい。
パワーポイントでの図示になれていれば、箱と矢印は自然に使えるだろうと思う。もし、今までホワイトボードを「箇条書きのツール」と考えている方がいれば、ぜひ積極的に使って頂きたい。これが出来るだけで、「ただの書記」から「ファシリテーター」に昇格だ。
・バリューチェーン
マイケル・ポーター教授のバリューチェーンの派生である。マイケル・ポーター教授の絵は、ホームベース形を横にした形の中身を切り刻んだものだが、私のお勧めは、そのホームページを複数個つなげるものである。
たとえば、AIDMAであれば、|A> |I> |D> |M> |A>となっていると気持ちが良い。この形は前後の関係性を示すもので、さまざまなプロセスを記述するのに適している。
・階段・・・理想と現実のギャップ
理想と現実のギャップを描くパターンは幾つかあるが、一番汎用的なのは、理想を右上、現実を左下に書くものだ。縦軸は「理想に至るまでに足りないもの」、横軸は「それを手に入れるための時間軸」である。これを書くと結果的に階段状になる。
かなり思いつきで書いてみたが、また思いつくようなら更新していきたい。
いずれにしても、自分が得意とする枠組み、考え方を幾つか持っていると会議進行は楽だ。全く知らないテーマであっても、自分が整理できる形に落せば、その観点において自分の得意ゾーンである。これをいくつ持っているか、で整理が出来るかどうかが決まる、とも言えるのである。
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